牧伯と国遣の官について

牧伯とか国遣の官とかのあたりが、ちょっとギモン。

「ほかの国遣の官も同様だと思われます」
「そっか。良かった」
 州侯令尹にはその補佐および監視役として、国から六人の官僚が下される。侯に道を説き、世の成り立ちを教え、誤りあれば正すのが務めだが、これは腑抜けた爺ばかりで毒にもならなければ薬にもならない。(新海神118)
「――いちおう、首都州には必ず牧伯がいて、郷、県の各府に刺史を派遣して政を監督するが、必ず隅々まで目が届くというわけではない」(WH万里上249)(新万里上265)
 正式に辞令が下り、恵棟が文州に向けて旅立ったのは、寒気の緩んだ晴天の中のことだった。新たに任じられた牧伯と侍従を伴い、津梁軍の一部を護衛に、恵棟は鴻基を旅立った。(新白銀四78)

などの記述があります。
首都州には必ず牧伯を置くが、余州は、必ずしも置かなくてもよくて、必要があれば置く、ということだろうか?
それで尚隆様の登極当時は監視しなくてはならなかったから、元州にも牧伯を置いていて、戴も見張らなくてはならないから文州に送った、ということだろうか?
驪媚の言い方から、牧伯も国遣の官だと思っていたけど、国遣の官のやることを考えると、むしろ三公みたい。六人と言うし、もしかしたら州の三公・三孤の六人が国遣の官で、牧伯はそのカテゴリーではないのかもしれない。
よくよく比べてみると、くだんの個所もホワイトハート版では、
「わたくしの他の国遣の官も同様だと思われます」(WH海神108)
と、もともとあった「わたくしの」を敢えて削除したということは、やはり牧伯は国遣の官ではない……?
……ハッ!! 私寝ぼけてた! 下された六人の官僚は、腑抜けた爺ばかりだという。驪媚は腑抜けた爺ではない……! ということは、牧伯が国遣の官に入るか否かはともかくも、それとは別に六人が派遣されるということだな。
牧伯は、監視はするが補佐はしない……ということか……?
やっぱり、三公三孤が国遣の官なのではないだろうか。
牧伯が、余州には必置ではないとしても、この六人は必ず派遣されるであろう……。そして首都州の州侯たる麒麟の三公三孤は、国府のほうにもいるのだが、首都州令尹のために派遣されるのだろうか。首都州には国遣の官はいないのだろうか。

そもそも、令尹の立ち位置が微妙だったりするのだ。州の宰相だって言うから、国でいう冢宰の位置に宛がっておいたのに(だから州宰を国府でいう太宰だろうと判断していた)、恵棟を州宰に、嘉磬を州天官長に任命しようというのだから、 これは考えを改めねばならんとなったわけだ。異動があったあとにしても、
 州宰の嘉磬はもとより、州六官長が鞫問のために連行されていった。
からみても、やはり州宰は州の天官長ではないということのはず……。
となると州天官長の呼び名がなんというのかわからんという事態になり、州太宰とかでこらえてくれるのだろうかと頭を悩ましている。

結論  詳細希望(切実)